盛岡競馬 第9レース 頂点へ!ノーザンリバー

  JBCスプリント 直前予想
距離適性と安定感ではノーザンリバーとドリームバレンチノが一歩リード。前哨戦の東京盃JpnIIと同じ決着となるかどうか。地力ではタイセイレジェンドも上位で、復調なるかがカギ。初ダートでも注目はコパノリチャード。一発がありそうだ。
JBCスプリント 出走馬 短評
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JRA所属馬短評
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ノーザンリバーは前走東京盃JpnIIを1番人気に応えて優勝。4コーナーでは7番手と、やや後ろの位置だったが、最後の直線でしっかりと伸びて差し切った。スピードと先行力で押し切るのではなく、決め手を生かすタイプだけに、取りこぼしの懸念はあるが、1200メートルの重賞では安定している。当日の盛岡が極端に差しにくい馬場にならない限り、勝ち負けに絡んできそうだ。
コパノリチャードは春に高松宮記念GIを制覇。前走はスプリンターズステークスGIに出走したが12着に敗れた。スタートで躓いたことも痛かったが、京王杯スプリングカップGII以来のぶっつけで状態も万全には見えなかった。ひと叩きされての上積みがどれぐらいあるか。無論、初めてとなるダートの適性もカギ。
タイセイレジェンドは12年にJBCスプリントを制覇。その後は斤量に苦しみながらも、地方の短距離戦では地力のあるところを見せている。盛岡コースは12年のクラスターカップJpnIIIを逃げて圧勝など、実績は十分。近2走は長期休養明け後で、斤量も重かった。さらなる良化があれば、一変してもおかしくはない。
ドリームバレンチノは地方のダート短距離の成績が【1.3.0.0】。まだ連対を外していない。前走東京盃は先団の内目でうまく立ち回り、タイミング良く抜け出したかに見えたが、外からノーザンリバーに差されてしまった。勝ち馬をほめるべきだろう。今回は叩き2戦目。悲願のJpnI初制覇へ向けて、力が入るところだ。
ティアップワイルドはしばらく好走実績がない。年齢的なものもあるせいか、復調の気配は感じられない。厳しい戦いとなりそうだ。
セイクリムズンは実績十分だが、1200メートルでは忙しくなっている。前走東京盃は勝ち馬から0.5秒差の3着。善戦はしているが、勝ち切るのは容易ではないだろう。連下候補と考えるのが妥当か。

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地方所属馬短評
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サトノタイガー(浦和)は前走東京盃JpnIIが6着。懸命にハナを切りに行き、見せ場は作ったものの勝ち負けには加わることができなかった。好位からでも競馬はできるが、JRA勢とは少し力の差がありそうだ。

【中央所属馬の評価】
ノーザンリバーは重賞5勝のほか、今年のフェブラリーS(G1)4着の実績の持ち主。ダートの1200mに限ると、昨年暮れのカペラS(G3)、4月の東京スプリント(Jpn3)、前走の東京盃(G2)と3連勝を記録している。盛岡の1200mは昨年のクラスターC(Jpn3)でラブミーチャンの3着とコース経験済み。前哨戦の東京盃を1番人気で堂々と制し、満を持してこの路線の頂点を狙う。

コパノリチャードはデビュー4戦目にアーリントンC(G3)を制してクラシック路線に乗り、皐月賞(G1)13着、NHKマイルC(G1)8着。秋は古馬相手にスワンS(G2)を勝ち、マイルチャンピオンシップ(G1)4着。今年に入ると阪急杯(G3)を勝って、高松宮記念(G1)に挑むと、2番手追走から抜け出し、後続に2馬身差。いとも簡単にスプリント戦線の頂点に立ってしまった。この秋はスプリンターズS(G1)に出走。スタートで躓いてしまい、12着と凡退していた。ダートは今回が初めてとなる。

ドリームバレンチノも元々は函館スプリントS(G3)、シルクロードS(G3)を勝ち、高松宮記念(G1)2着、スプリンターズS(G1)3着がある芝のスプリンター。金沢の1400mで行われた昨年のJBCスプリントで突然、ダート路線に転じ、いきなりエスポワールシチーの2着と健闘。続く、兵庫ゴールドT(Jpn3)でダート重賞初勝利。前哨戦・東京盃(Jpn2)では6ヶ月振りながらノーザンリバーの2着ときっちり人気に応えている。

タイセイレジェンドは川崎の1400mで行われた一昨年のJBCスプリントをレコード勝ち。昨年は7着と、今年で3年連続の出走となる。盛岡の1200mはクラスターC(Jpn3)に3年連続出走し、54キロ=1着、59キロ=2着、60キロ=6着の実績を残している。昨年の東京盃(Jpn2)を勝ってからはこれといった好走がないが、ここは短距離路線では唯一定量で走れる貴重な舞台。復活なるかが注目される。

セイクリムズンは全16勝中、オープンで12勝をマークし、うち重賞9勝。JBCスプリントは2011年がスーニの2着、2012年がタイセイレジェンドの2着、そして昨年がエスポワールシチーの3着。ここ2年の勝ち鞍は高知の黒船賞(Jpn3)をふたつ勝っているだけで、善戦マンの様相だが、とにもかくにもこの息の長い活躍には頭が下がる。前哨戦の東京盃(Jpn2)を3着と崩れなし。盛岡コースは昨年の南部杯(Jpn1)でエスポワールシチー、ホッコータルマエに次ぐ3着の記録がある。

ティアップワイルドも全11勝、兵庫ゴールドT(Jpn3)、かきつばた記念(Jpn3)勝ちがある古豪だが、昨年6月の北海道スプリントC(Jpn3)で3着して以来、馬券の対象になっていない。長いキャリアがありながら左回りは8戦しかしておらず、その最高着順は4着。今回は4月の東京スプリント(Jpn3)10着以来の休み明けとマイナス要素が並ぶ。

【地方所属馬の評価】
浦和のサトノタイガーは中央芝5勝。今春、浦和へ移籍し、当初はダート適性を疑問視されていたが、3戦目に川崎マイラーズ、5戦目にアフター5スター賞とポンポンと重賞2勝をマーク。前走の東京盃(Jpn2)でも逃げて0.9秒差の6着に奮闘。タイプこそ違うが、芝~ダート問わない活躍はさすがシャドウゲイトの半弟といったところだろうか。

川崎のハードデイズナイトは昨年はJBCレディスクラシックに挑戦して9着。今年はスプリントに参戦だが、1200mは昨年、優駿スプリント→アフター5スター賞と重賞を連勝した得意の条件。前走の東京盃(Jpn2)は1.4秒差の7着だったが見せ場はあったし、展開がはまるようなら上位食い込みがあってもいい。

佐賀のエスワンプリンスは佐賀生え抜きのスピード馬で、笠松1400mのオッズパークGP3着、笠松グランプリ1着、園田820mの園田FCスプリント1着など、地方交流重賞でも結果を残してきた。7月の習志野きらっとスプリント(船橋1000m)では7着と敗れたが、当時は初の左回りだっただけに、2度目となる今回は上積みを期待したいところ。

【解説者の予想】
主役はこの路線をリードするノーザンリバー。前哨戦でこれに食い下がった前年の2着馬ドリームバレンチノが対抗。本来これが大本線となるが、このレース最大の焦点は初ダートとなる今年の高松宮記念の勝ち馬コパノリチャードの取り扱い。アッサリの可能性も十分に考えられるが、この馬が芝で見せるような先行力を発揮できるか否かはレース全体の流れにも影響する。もともと一完歩目は速い方ではないが…。次群は崩れないセイクリムズンだが、盛岡のこの条件の経験豊富なタイセイレジェンドが定量なら軽くは扱えない。地方馬ではサトノタイガーが同型コパノリチャード、スマイルヴィジットらの競り込みがなければ逃げ残る可能性が。

◎ノーザンリバー
○コパノリチャード
▲ドリームバレンチノ
△タイセイレジェンド
△セイクリムズン
△サトノタイガー
△エスワンプリンス