第14回 JBCクラシック 2014年11月3日(祝月)盛岡:第10競走2,000m発走時間 15:40

盛岡競馬 第10レース 復活!クリソライト

【中央所属馬の評価】
クリソライトはデビューから2・1・2・2・2・2・1・1・1着で昨年のジャパンダートダービー(Jpn1)を7馬身差の圧勝。4ヶ月の休養を挟んで挑んだ昨年のJBCクラシックを3番人気に支持されながらホッコータルマエから3.1秒差の5着と完敗すると、その後は15・14・7・4・11着とスランプに陥ってしまった。復活の兆しを見せたのが7月、今回と同条件(盛岡2000m)のマーキュリーC(Jpn3)2着。ゴール寸前でレコード勝ちをナイスミーチューにさらわれたが、ハイラップの流れから早めにレースを動かしたのはこの馬だった。それを証明するかのように前走の日本テレビ盃(Jpn2)は2着のダノンカモンに7馬身差をつける圧勝劇。今度は勢いをつけて再び盛岡に遠征する。

コパノリッキーは今年のフェブラリーS(G1)の勝ち馬。16頭立ての最低人気だったが、2番手追走から直線抜け出すと、ホッコータルマエに1/2馬身差をつけてそのまま押し切ってしまった。これをフロック視する向きもあったが、その後はかしわ記念(Jpn1)を勝ち、帝王賞(Jpn1)も堂々の2着。キャリアはまだ11戦だが、一気にこの路線の中心勢力に成長した。

ワンダーアキュートは川崎の2100mで行われた一昨年のこの競走の優勝馬だが、これでGIの2着が7回、3着が5回と、さながら「シルバーコレクター」の様相を呈していたが、前走の帝王賞(Jpn1)で売り出し中のコパノリッキーを抑えて込んで二つ目のGIを奪取。8歳馬ながらまだまだ健在ぶりを誇示している。

ホッコータルマエは金沢2100mのレコードタイムを更新したJBCクラシックを筆頭にかしわ記念(Jpn1)、帝王賞(Jpn1)、東京大賞典(G1)、川崎記念(Jpn1)と主要タイトルを総ナメにした昨年のチャンピオンホース。3月のドバイワールドC(G1)に参戦し、果敢に先行したが16着と殿り負け。それ以来の実戦となる今回はとにかく自身の状態面がすべてとなる。盛岡コースは昨年の南部杯(Jpn1)でエスポワールシチーの2着がある。

ベストウォーリアは今年のフェブラリーS(G1)で3番人気、13着と凡退したが、2ヶ月の休養でリフレッシュされるとオアシスS1着、アハルテケS2着、プロキオンS(G3)1着、南部杯(Jpn1)1着と本格化ムード。昨3歳時より決め脚に磨きがかかってきた印象を受ける。直前の南部杯は例年と比較してかなり小粒で、自身のレイティングを上積みするようなメンバー構成ではなかったが、前哨戦を同じコースでこなしたことは他馬より大きなアドバンテージになるかもしれない。

カゼノコは未勝利脱出に8戦を要したが、芝の毎日杯(G3)10着を挟んで、ダート戦4連勝でジャパンダートダービー(Jpn1)を制覇。近年では最強の地方3歳馬との評判だったハッピースプリントをハナ差競り落とした。今回が秋緒戦、古馬との対戦も初めてとなるが、クリノスターオーの回避で選定馬に繰り上がったツキを生かしたい局面。

【地方所属馬の評価】

岩手のナムラタイタンは2月の佐賀記念(Jpn3)3着を最後に中央から岩手へ移籍。岩手では3戦オール大差勝ちで7月、地元開催のマーキュリーC(Jpn3)へ期待が高まったが、脚部不安が出て直前で回避。急仕上げ気味に10月の南部杯(Jpn1)で復帰すると、見せ場を作っての6着と健闘していた。急仕上げの南部杯が6着。ならばひと叩きされた今回は…と期待がかかるところだが、今度は相手も数段上がっており…。

岩手のコミュニティは中央未勝利から3歳8月に岩手に転じると下級条件から12連勝をマーク。A級に昇級した今年はみちのく大賞典の落馬競走中止などいろいろあったが、前走の南部杯(Jpn1)では3コーナーから捲り気味に進出し、直線入口ではアワヤのシーンを演出。結果は7着だったが、場内を大いに盛り上げた。今回と同条件の7月のマーキュリーC(Jpn3)では超ハイラップで逃げて5.8秒差の12着と惨敗だったが、南部杯のような控える競馬がこの馬には合っているのかもしれない。

高知のファイアーフロートは2010年の京成杯オータムH(G3)の勝ち馬。昨年は高知代表として盛岡芝のOROカップに遠征し、ナターレの3着があるが、目下、高知の重賞を3連勝中とダートも走る。重賞3連勝は他馬に競り込まれる厳しい展開を力で押し切る強い内容だが、ここに入るとさすがにレベルが違うか…。

【解説者の予想】

中央馬6騎はすべてGI馬。どこからでも狙える悩ましいメンバー構成となったが、主役にはクリソライトを抜擢。今回と同条件のマーキュリーCは59キロのトップハンデを背負ってレコードの勝ち馬に1/2馬身。復調なった今なら今度はさらに動けるはず。
コパノリッキーとワンダーアキュートは帝王賞以来の秋緒戦。勢いなら4歳馬の前者だが、計算が立つのは歴戦の後者。
そして最大の焦点は「ドバイ以来」のホッコータルマエの取り扱い。実力最上位は誰もが認めるところだが、昨年の秋緒戦・南部杯もエスポワールシチー相手に取りこぼしており、使い込んで良化するタイプとの印象も受ける。
ベストウォーリアの南部杯は勝って当然のメンバーだったが、レースそのものは百点満点の内容。好調度ならクリソライトかこの馬との印象も。
3歳馬カゼノコは今後への試金石といった局面だが、まだまだレースぶりが荒削りなだけに、そのぶん化ける可能性もある。ということで中央馬が強すぎ、地方馬に出番はない。中央馬に仕上げ途上の馬が2~3頭いれば、ホスト・地元勢に入着のチャンスが巡ってくるか…。



◎クリソライト
○コパノリッキー
▲ワンダーアキュート
△ホッコータルマエ
△ベストウォーリア
△カゼノコ