2015年1月18日(日) 1回中山7日
11R 第55回 京成杯(GIII)
予想
3連単BOX
⑤⑦⑧⑬⑰

京成杯が行われる中山競馬場の芝2000mは、クラシック三冠の第1弾・皐月賞と同じ舞台。早い段階でこのコースと距離を経験しておくことはアドバンテージとなるだけに、年明け初戦に本レースを選択する素質馬は多い。最近の京成杯好走馬が皐月賞を優勝した例こそ見られないものの、2009年の2着馬ナカヤマフェスタは、翌2010年の宝塚記念優勝後にフランス遠征を行い、国際G1・凱旋門賞(ロンシャン・芝2400m)で2着に好走。2010年の優勝馬エイシンフラッシュは、皐月賞で3着に入ったあと日本ダービーを制覇して同世代の頂点に輝き、古馬になってからも2012年の天皇賞(秋)を優勝する活躍を見せた。明け3歳馬の将来を占ううえでも重要な一戦と言えるだろう。新春の中山競馬場で繰り広げられる若駒たちの熱戦から目を離せない。

ハービンジャー産駒のベルーフ(牡3・池江泰寿)は、10月14日のメイクデビュー京都(芝2000m)で初陣を迎えた。レースの1000m通過タイムが1分07秒4という超スローペースにもうまく折り合い、最後の直線では上がり3ハロン33秒4(推定)の瞬発力を発揮して優勝。2戦目の500万下・百日草特別(東京・芝2000m)では、最後の直線で長くいい脚を使い、2歳コースレコードの2分00秒8で優勝したルージュバックから2馬身1/2差の2着。そして、前走の500万下・エリカ賞(阪神・芝2000m)では、後方待機策から出走馬中最速となる上がり3ハロン34秒8(推定)の切れ味を披露して2勝目をマーク。あらためて能力の高さをアピールした。今回は重賞初挑戦となるが、このメンバーの中でも素質は文句なく上位にランクされる存在。クラシック路線への足がかりとなる勝利を飾れるか、大いに注目を集めそうだ。

バゴ産駒のブラックバゴ(牡3・斎藤誠)は、9月14日のメイクデビュー新潟(芝1800m)で上がり3ハロン33秒2(推定)の末脚を披露して2着に入り、初戦から素質の高さを示した。そのあとは成長を促すために放牧に出され、約2か月半の休養を経て臨んだ2戦目の未勝利(東京・芝1800m)を力強い末脚で差し切り、初勝利を挙げた。続く前走のホープフルSでは、直線で前が詰まるシーンがあったもののゴール前で急追し、勝ち馬のシャイニングレイから0秒2差の3着に好走している。2着馬のコメートとは僅かハナ差で、坂を上がってからの脚色は優勢だっただけに、価値ある3着と判断できる。今回は中2週のローテーションになるが、依然として張りのある好馬体をキープ。前走で中山・芝2000mを経験していることも大きなアドバンテージになるはずだ。ここで重賞のタイトルを獲得してクラシックロードに進みたいところだろう。

ディープインパクト産駒のソールインパクト(牡3・戸田博文)は、ここまでに5戦を消化して1勝2着2回3着1回をマークと、堅実な成績を挙げている。8月10日のメイクデビュー新潟(芝1600m、2着)で先着を許したミュゼスルタンが次走で新潟2歳Sを優勝、また、3戦目に初勝利(未勝利、東京・芝1600m)を飾った時の2着馬ナイトフォックスがその後に年明けのオープン特別・ジュニアC(中山・芝1600m)を優勝しているように、早い段階から強敵を相手にしてきた。重賞初挑戦となった前々走の東京スポーツ杯2歳Sでは、勝ち馬のサトノクラウンから0秒1差の3着と接戦を演じ、力のあるところを証明。前走のホープフルSでも、中団追走から最後の直線でしっかりとした末脚を見せて4着でゴールイン。常に強いメンバーと戦って、非常に内容の濃い走りを続けている。重賞初制覇への手応えをつかんで明け3歳を迎えており、今回はタイトル奪取の好機だ。

ハービンジャー産駒のクラージュシチー(牡3・高橋義忠)は、近親に、2006年の日本ダービーなどGI を4勝したメイショウサムソンがいる血統。9月20日のメイクデビュー新潟(芝1600m)は2着に敗れたが、前々走となる2戦目の未勝利(阪神・芝2000m)では2着馬に10馬身差をつける圧勝劇を演じ、初勝利を飾った。2番人気の支持を受けて出走した前走の東京スポーツ杯2歳Sでは5着に敗れたが、勝ち馬とのタイム差は0秒2と僅か。初勝利を挙げていきなりの重賞初挑戦であったことを考えれば、十分に及第点を与えられる内容と言える。今回は、短期放牧でひと息入れての出走になるが、順調に調整が進んでおり馬体に太め感もない。前々走で披露したスケールの大きな走りを再現できれば、重賞初制覇のチャンスは十分だ。

ハイアーゲーム産駒のコスモナインボール(牡3・和田雄二)は、デビュー2戦目の未勝利で2番手追走から抜け出して初勝利をマークし、続く500万下・アスター賞(ともに新潟・芝1600m)では最後の直線での競り合いを制して優勝。さらに、オープン特別のアイビーS(東京・芝1800m)でも200mの距離延長を難なく克服して先頭ゴールイン。見事3連勝を飾り、前走の朝日杯フューチュリティSに駒を進めた。重賞初挑戦がGI となった前走は、中団からの競馬になり9着に敗れたが、今後に向けていい経験になったはずだ。レースから10日後の12月31日には美浦南Wコースで軽い時計を出しており、連戦の疲れはまったく感じられない。豊富なキャリアと卓越した勝負根性を活かして重賞初制覇を目指す。

キングカメハメハ産駒のタケルラムセス(牡3・田村康仁)は、デビュー前の追い切りで古馬相手に先着し、素質の高いところを見せていた。11月30日のメイクデビュー東京(芝2000m)では、大逃げを打ったオケアノス(2着)から離れた5~6番手を追走すると、最後の直線で持続力のある末脚を披露し、粘るオケアノスに2馬身1/2差をつけて初勝利。続く前走の500万下・寒竹賞(中山・芝2000m)では、後方待機から息の長い末脚を再び繰り出して差し切り勝ちを収め、2連勝をマーク。勝ちタイム2分01秒6は初戦の2分04秒4から2秒8も短縮しており、大きな進境を見せた。また、前走で中山・芝2000mの舞台を経験していることもアドバンテージになるだろう。今回、無傷の3連勝での重賞奪取にチャレンジする。

ゼンノロブロイ産駒のバルビエール(牡3・武井亮)は、近親に、1998年・1999年有馬記念連覇などGI 4勝を挙げたグラスワンダーがいる血統。9月28日のメイクデビュー新潟(芝1800m)は勝ち馬のルージュバックから0秒3差の3着。しかし、約2か月半の休養を挟んで出走した2戦目の未勝利(中山・芝2000m、1着)では、好位の外めをスムーズに追走し、最後の直線で追い出されると素早く反応するセンスの良さを見せ、力強い末脚を駆使して初勝利を飾った。勝ちタイム2分01秒9は、重賞のホープフルSの勝ち時計と同じで、タイム面でも優秀と言えるだろう。重賞初挑戦となる今回、相手は大幅に強化されるが、キャリア2戦の身でも侮れない存在だ。

バトルプラン産駒のマイネルシュバリエ(牡3・和田正道)は、7月27日のメイクデビュー福島(芝1800m)で初陣を飾ると、次走は札幌2歳Sに挑戦。11番人気という低評価を覆し、勝ち馬のブライトエンブレムから0秒2差の2着に好走した。その後は、前々走の東京スポーツ杯2歳Sと前走のホープフルSでともに12着と連敗したが、前走は勝ち馬のシャイニングレイから0秒7差に粘っており、着順ほど内容は悪くなかった。札幌2歳S出走時に458キロだった馬体重が、前々走・前走ともに478キロと、やや余裕が感じられた状態。中2週のローテーションで出走する今回、しっかり絞れてくれば、大きく巻き返しても不思議ではない。
キングカメハメハ産駒のクルーガー(牡3・高野友和)は、デビュー2戦目の未勝利(阪神・ダート1800m)を快勝し、続く500万下のエリカ賞でも勝ち馬のベルーフから3/4馬身差の2着に好走。昇級初戦のうえ、芝のレースへの出走も初めてだっただけに、価値ある2着と判断していいだろう。軽快な先行力があり、センスの良さも魅力。今回、初の関東圏への長距離輸送をクリアして、上位争いに加わりたいところだ。

その他にも、1番人気に支持された前走の500万下・寒竹賞5着からの巻き返しを期すブライトバローズ(牡3・堀宣行)、骨折休養明けで臨んだ前走の500万下・エリカ賞(12着)からの上積みが見込めるダノンリバティ(牡3・音無秀孝)、芝は初めての出走になるが、ダートで2勝を挙げているイーデンホール(牡3・大久保洋吉)、それぞれ未勝利クラスを直線一気の末脚で勝ち上がったザイディックメア(牡3・村山明)、ナスノセイカン(牡3・矢野英一)など伏兵勢も多士済々。上位進出を狙っている。