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競馬予想

第49回 日刊スポーツ賞 シンザン記念

ここをステップに大舞台を目指せ「第49回 日刊スポーツ賞 シンザン記念」
3連単1頭軸
⑫-⑨⑧④⑩

かつては、その年のクラシックの主役となるような馬が年明けの重賞に出走することはほとんどなく、シンザン記念の出走馬から、クラシックをはじめとする3歳GI を争う候補が出るケースも少なかった。だが、それもすでに昔の話。昨年の勝ち馬は、のちにNHKマイルCを制すミッキーアイル、2012年の勝ち馬は、その後牝馬三冠に輝き、昨年の有馬記念でGI 7勝目を挙げて有終の美を飾った名牝ジェンティルドンナ。そして、さらに目を引かれる出走メンバーだったのが2011年だ。勝ち馬のレッドデイヴィスはその後に重賞を2勝しながらもGI 未勝利だが、2着馬は、のちにクラシック三冠を制し、凱旋門賞で2年連続(2012年、2013年)2着に入るなど、競馬史に名を刻むことになるオルフェーヴルで、3着馬は、その後桜花賞を優勝するマルセリーナだった。いまやシンザン記念は、ここでの好走をきっかけに大きく飛躍を遂げる出世レースと言っても過言ではない。今年はここからどんな馬が大舞台へと羽ばたいていくのか、今後を占ううえでも、注目すべき大事な一戦だ。

Kitten's Joy産駒のダッシングブレイズ(牡3・吉村圭司)は、ここまで2戦1勝2着1回のキャリアで迎える重賞初参戦。500万下クラスの身での格上挑戦となるが、シンザン記念はそれまでのキャリアがあまり問われない傾向があるレース。資質は今回のメンバーの中でも上位のはずで、当初からここを目標にしていたというローテーションも魅力だ。12月31日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは4ハロン54秒3-ラスト1ハロン12秒9を馬なりでマークしており、状態はさらに良くなっている印象がある。

ハーツクライ産駒のナヴィオン(牡3・橋口弘次郎)は、今回と同じ京都・外回りの芝1600mの舞台で行われた前々走のデイリー杯2歳S(3着)で1番人気の支持を受けた馬。今回も上位人気に支持される可能性が高い一頭だ。前走の朝日杯フューチュリティSでは、稍重発表で時計が掛かる状態だった馬場コンディションが合わず11着と好結果を残せなかったが、速い時計が出やすい良馬場での決め手勝負なら巻き返してくるはず。ここで収得賞金を加算し、春のGI 出走を確実なものとしたいところだ。

スクリーンヒーロー産駒のグァンチャーレ(牡3・北出成人)は、前走の東京スポーツ杯2歳Sで、最後の直線で前が壁になる場面があり、勝ち馬のサトノクラウンから0秒3差の7着に敗退。スムーズな競馬なら上位争いに加わっていたはずで、今回のメンバーでも力量上位と考えていい馬だ。12月31日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは4ハロン54秒8-ラスト1ハロン12秒5をマークしており、好調をキープ。前走から中6週という、ゆったりとしたローテーションでの挑戦にも好感が持てる。

マンハッタンカフェ産駒のサトノフラム(牡3・安田隆行)は、1番人気に支持された前々走のいちょうSで10着に敗れたのに続き、自己条件に戻った前走の500万下・千両賞(阪神・芝1600m)でも3番人気の支持を受けながら9着に敗退。2戦続けて人気を大きく下回る結果で、今回は評価が難しくなりそうだ。しかし、潜在能力が高いことは、調教で抜群の動きを見せることからもはっきりと伝わってくる。レースでも問題なく自身の能力を発揮することができれば、今回のシンザン記念で巻き返し、重賞タイトル奪取を成し遂げてもおかしくない。

クロフネ産駒のレンイングランド(牡3・矢作芳人)は、前々走の500万下・寒椿賞(東京・ダート1400m)と前走のオープン特別・クリスマスローズS(中山・芝1200m)を連勝して通算3勝をマーク。すでに、春のGI 出走に向けて十分と思えるだけの収得賞金を獲得している。今回、芝では初経験となる1600mの距離を克服できるようなら、今後の選択肢もかなり増えてくる。

クイーンズターフ(牝3・須貝尚介)は、地方の船橋競馬に所属して地方交流重賞のGI・JpnI 計6勝を挙げたフリオーソを伯父に持つ馬。そんな血統背景もあり、前走のメイクデビュー阪神はダート1400mを使われて優勝しているが、父はディープインパクト。その産駒は、芝で能力を発揮するタイプが多く、京都・芝1600mでは抜群の好成績を記録している。本馬は、今回キャリア2戦目での重賞初挑戦となるが、ここにも陣営の期待の高さが表れている。

ケイムホーム産駒のメイショウマサカゼ(牡3・本田優)は、前走の朝日杯フューチュリティSで、勝ち馬のダノンプラチナから3秒5差の17着と大敗を喫した。芝1600mの距離が初経験だったことに加えて、阪神競馬場の芝・外回りコースが本馬には合わなかったようだ。阪神・外回りの芝1600mに比べて、今回の舞台となる京都・外回りの芝1600mは、最後の直線が平坦で短い。このコースならば、2度目となる芝1600mの距離も克服して、上位進出が見込めるだろう。

2014年12月28日(日) 4回中山8日 10R 第59回 有馬記念(GI)

2014年12月28日(日) 4回中山8日
10R 第59回 有馬記念(GI)

3連単BOX

①⑦⑭⑮⑩

2014年12月28日(日) 4回中山8日 9R 第31回 ホープフルステークス(GII)

2014年12月28日(日)
4回中山8日 9R 第31回 ホープフルステークス(GII)

3連単軸1頭

⑨-①③⑤②

大幅にリニューアルされたクラシック前哨戦 「第31回 ホープフルステークス」

大幅にリニューアルされたクラシック前哨戦 「第31回 ホープフルステークス」
昨年までこの時期に阪神・芝2000mで行われていたラジオNIKKEI杯2歳Sが、今年からホープフルSに改称され、グレードはGIII からGII に、コースも中山・芝2000mに変更された。昨年のラジオNIKKEI杯2歳Sを勝ったワンアンドオンリーは、今年の日本ダービーを制して世代の頂点に立った。これまでクラシックウイナーを数多く輩出してきたレースだけに、リニューアルされた今後も将来性豊かな2歳馬による熱戦が期待できるだろう。今回は過去10年のラジオNIKKEI杯2歳Sをサンプルとして、コース変更の影響が小さそうなファクターを中心にレースの傾向を分析してみたい。

出走馬情報
2歳馬の競走体系のさらなる充実とローテーションを整備する観点から、昨年まで暮れに阪神・芝2000mで行われていたGIII の“ラジオNIKKEI杯2歳S”が、皐月賞と同じ中山・芝2000mに舞台を移したうえで、今年からGII に格上げされ、“ホープフルS”と名称を変更して行われることになった。2歳馬の芝・中距離路線の頂点に位置づけされたことで、今後はその重要性が一段と増していくことだろう。今年の登録メンバーは大半が1勝馬ながら、豊かな将来性を感じさせる若駒が多数エントリー。この一戦を制して、来年のクラシック候補に名乗りを上げるのは果たしてどの馬だろうか。

出走メンバーの中で実績ナンバー1は、ダイワメジャー産駒のダノンメジャー(牡2・橋口弘次郎)だ。8月10日のメイクデビュー小倉(芝1800m)を1番人気に応えて勝ち上がると、2戦目のオープン特別・野路菊S(阪神・芝1800m)も鮮やかに差し切って連勝。その後に約2か月半の休養を挟んで出走した前走の新設GIII・ラジオNIKKEI杯京都2歳Sでは2着と初黒星を喫したものの、優勝馬ベルラップとタイム差なしの接戦を演じた。まだ底を見せていない点は、大きなセールスポイントと言える。中3週のローテーションで臨む今回は、上積みを見込める臨戦課程。栗東坂路で12月18日に4ハロン57秒4、21日に同56秒2の時計をマークするなど、順調に調整が進められている。ここは、重賞初制覇の大きなチャンスだろう。

ソールインパクト(牡2・戸田博文)は、デビュー前から素材の良さを高く評価されていたディープインパクト産駒。8月10日のメイクデビュー新潟、2戦目の未勝利(ともに新潟・芝1600m)はいずれも1番人気で2着に惜敗したが、3戦目の未勝利(東京・芝1600m)で初勝利を飾ると、一気に相手関係が強化された前走の東京スポーツ杯2歳Sでも優勝馬サトノクラウンから0秒1差の3着と上位争いを演じた。JRAでデビューした半兄の2頭、クリティカルヒット(父Smart Strike)とファイネスト(父ゼンノロブロイ)はこれまでに勝ち鞍をすべてダートのレースで挙げているが、本馬は芝で父譲りの鋭い決め手を発揮している。キャリアを積みながら徐々に力をつけている印象もあり、前走以上のパフォーマンスが期待できるだろう。

11月9日のメイクデビュー京都(芝2000m)で2着馬クロイツェルに3馬身1/2差をつけて楽勝したシャイニングレイ(牡2・高野友和)も、大いに注目したいディープインパクト産駒だ。母シェルズレイは、3歳時の2006年にチューリップ賞とローズSでともに2着と好走し、桜花賞と秋華賞でともに5着と掲示板を確保するなど、牝馬三冠戦線を大いににぎわせた活躍馬。本馬を含め、これまでにJRAでデビューした産駒4頭がすべて勝利を挙げており、繁殖牝馬としても高い資質を示している。1戦1勝の身でいきなり重賞に挑戦するのは決して楽ではないが、本馬の素質は間違いなく一級品。母が手に入れることができなかった重賞タイトルを、この馬はデビュー2戦目であっさりと獲得する可能性も十分にあるだろう。

ティルナノーグ(牡2・松永幹夫)も、育成時代から注目を集めていたディープインパクト産駒の逸材だ。単勝オッズ1.5倍という断然の1番人気に推された6月29日のメイクデビュー阪神(芝1800m)で、先行策から競り合いを制して初陣V。その後に約3か月半の休養を挟んで出走した500万下の紫菊賞(京都・芝2000m)では、一転した待機策から最後の直線で素晴らしい末脚を繰り出し、2分00秒5の2歳コースレコードをマークして連勝を飾った。3戦目となった前走のラジオNIKKEI杯京都2歳Sでは7着と思わぬ完敗を喫したが、デビュー2戦のパフォーマンスは文句なしにハイレベル。一度の敗戦で底を見せたと考えるのは早計で、今回も有力候補の一頭に数えられる。

ディープインパクトの全兄にあたるブラックタイドを父に持つコメート(牡2・土田稔)は、デビュー2戦目の未勝利(福島・芝1800m)で初勝利をマーク。さらに、12番人気と注目度が低かった3戦目の新潟2歳Sでも、2歳コースレコード(1分33秒4)で優勝したミュゼスルタンから0秒4差の4着に食い込み、8番人気の低評価を覆した未勝利Vが本来の実力であったことを証明した。続く前走の500万下・きんもくせい特別(福島・芝1800m)では、デビュー以来初めて1番人気に支持され、2番手追走から直線であっさりと抜け出し、2着馬の追撃をクビ差退けるという期待どおりの走りで2勝目をマーク。勇躍、重賞のホープフルSに駒を進めてきた。今回、特別登録を行ったJRA所属馬で2勝を挙げているのは、本馬を含めて3頭のみ。十分に戴冠を狙える位置にいる。

タンタアレグリア(牡2・国枝栄)は、厩舎期待のゼンノロブロイ産駒。7月6日のメイクデビュー福島(芝1800m)ではスタートで出遅れながらも後方追走から最後の直線で強烈な末脚を繰り出して2着まで追い上げた。2戦目の未勝利(新潟・芝1600m)もハナ差の2着に惜敗したが、約4か月の休養を挟んで出走した前走の未勝利(東京・芝2000m)を直線で外から一気に差し切り、3戦目で初勝利をマークしている。同じ国枝栄厩舎所属で、2012年に桜花賞トライアルのアネモネS(中山・芝1600m)と秋華賞トライアルの紫苑S(中山・芝2000m)を制したパララサルー(父ディープインパクト)の半弟にあたる良血馬。先週の朝日杯フューチュリティSを制したダノンプラチナに続き、国枝栄厩舎からまた一頭、クラシック候補の誕生なるか。レースでの走りが実に楽しみだ。
ハーツクライ産駒のシュヴァルグラン(牡2・友道康夫)は、9月21日のメイクデビュー阪神(芝2000m)ではクビ差の2着に惜敗したものの、2戦目の未勝利(京都・芝2000m)を1番人気の支持に応えて順当に初勝利。続く前走のラジオNIKKEI杯京都2歳Sは8頭立ての5番人気だったが、最後方から出走馬中最速の上がり3ハロンタイム(34秒3、推定)をマークして3着まで追い込んだ。2013年と2014年のヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナ(父ディープインパクト)の半弟にあたる良血馬。その姉ヴィルシーナは、このホープフルS(9R)当日のメインレースとして行われる有馬記念(10R)に出走を予定しており、姉弟による同日&同場での重賞制覇というグレード制導入後、初の快挙も懸かっている。

エニグマバリエート(牡2・戸田博文)は、10月12日のメイクデビュー東京(芝1800m)では中団後方からじりじりとしか伸びずに5着に敗れたが、2戦目の未勝利(東京・芝2000m)でレースぶりが一変。道中3番手追走から最後の直線で早めに先頭に立ち、1番人気の支持を受けたヒアカムズザサン(2着)の追撃をクビ差しのいで初勝利を挙げた。母ティエッチグレースは2003年のアイビスサマーダッシュ2着などスプリント路線で活躍したが、父ハーツクライの影響を強く受けた印象がある本馬は芝の中長距離に高い適性を感じさせる。前走の走りを見る限り、小回りでスピードの活きる中山・芝コースは合っている公算が大きい。
レトロロック(牡2・角居勝彦)は、8月31日のメイクデビュー小倉(芝1800m)を1番人気に応えて鮮やかに差し切ったディープインパクト産駒。2戦目の500万下・黄菊賞(京都・芝2000m)はハナ差の2着に惜敗したが、先着を許した1着馬ベルラップは、次走のラジオNIKKEI杯京都2歳Sを制覇。価値の高い2着と評価するべきだろう。前走の500万下・シクラメン賞(阪神・芝1800m)では、道中で折り合いを欠いて6着に完敗しているが、潜在能力は間違いなく重賞級。スムーズに折り合ってレースを運べるようなら、V争いに加わってくるだろう。

バゴ産駒のブラックバゴ(牡2・斎藤誠)は、2番人気の支持を受けた9月14日のメイクデビュー新潟(芝1800m)で2着を確保したあと、2か月半の間隔をあけて臨んだ前走の未勝利(東京・芝1800m)では、中団追走からメンバー中2位となる上がり3ハロン34秒2(推定)の末脚を発揮して鮮やかに差し切った。重賞のメンバーに入っても、決め手の鋭さはまったく引けを取らないものがある。

ヒルノマレット(牡2・北出成人)は、7月26日のメイクデビュー中京(芝1600m)で初陣を飾ったキングカメハメハ産駒。大外8枠16番からスタートし、二の脚を利かせて2番手までポジションを上げると、直線半ばから力強く抜け出して1馬身3/4差の快勝劇を演じた。前走のオープン特別・野路菊Sでは互角のスタートから二の脚を利かせて先手を奪い、優勝馬ダノンメジャーから0秒3差の4着に逃げ粘っている。脚をためる形よりも、スピードを活かす形で前々につけて、直線でしぶとさを発揮する競馬が合っている印象が強い。中山・芝2000mの舞台は脚質的に向いているはずだ。

現2歳世代が初年度産駒デビューとなる輸入新種牡馬バトルプランを父に持つマイネルシュバリエ(牡2・和田正道)は、7月27日のメイクデビュー福島(芝1800m)を1番人気に応えて快勝。2戦目の札幌2歳Sでは14頭立ての11番人気と注目度は低かったが、3番手追走からゴールまでしぶとく末脚を伸ばして、優勝馬ブライトエンブレムから0秒2差の2着に好走した。前走の東京スポーツ杯2歳Sは12着と大敗を喫したが、約2か月半ぶりの実戦で馬体重(478キロ)がプラス20キロと大幅に増えていたうえに、イレ込んで本来の力を発揮できなかった印象が強い。中4週で臨む今回、見直す余地は十分に残されているだろう。

高配当決着が続く年末の短距離重賞 「第9回 阪神カップ」

高配当決着が続く年末の短距離重賞 「第9回 阪神カップ」

出走馬情報
関西で行われる芝1400mの古馬GII 競走の1着賞金を比べると、牝馬限定の阪神牝馬Sが5300万円、スワンSが5700万円であるのに対し、この阪神Cは6500万円と最も高い。また、実績馬でも斤量が重くならない定量の負担重量設定はGI と同じだ。そのため、実績のある好メンバーが集まりやすい一戦で、レース内容は常にハイレベル。過去8年のこのレースでは、連覇したキンシャサノキセキ(2009年・2010年)とサンカルロ(2011年・2012年)を含め6頭の勝ち馬が出ているが、その中で、すでにGI を勝っていた馬、本レース後にGI を勝った馬が4頭もいる。GI で勝ち負けできるレベルにあることが、勝ち馬の条件とさえ言えそうだ。

今年も、GI での実績がある馬が多数エントリーしているが、今後の伸びしろと芝1400mへの適性を重視して最初に取り上げるのは、ミッキーアイル(牡3・音無秀孝)。今年のNHKマイルCを制したGI ホースで、今回のレース内容次第では来年の高松宮記念や安田記念で主役を務める可能性もある馬だ。今秋はスワンS(1着)→マイルチャンピオンシップ(13着)→阪神Cの3戦を使うローテーションを当初から予定していたことから、調整過程に抜かりはない。前走のマイルチャンピオンシップでの大敗は少し気になるところだが、道中、力んで走っていたことが敗因と思えるだけに、今回、スムーズな競馬さえできれば巻き返せるはず。

コパノリチャード(牡4・宮徹)は、今年の高松宮記念でGI ホースの仲間入りを果たした、現役を代表するスプリンターの一頭だ。前走のJpnI・JBCスプリント(盛岡・ダート1200m)は16頭立ての16着と大敗を喫したが、これは、初挑戦となったダートへの適性がなかったと考えるべき結果で、度外視できる。昨年のアーリントンC、今年の阪急杯と、重賞2勝をマークしている阪神・芝コースでのスピード勝負なら、見直しが必要だ。

ロサギガンティア(牡3・藤沢和雄)は、今年のスプリングS優勝馬。実績面こそ、3歳限定重賞を1勝しているだけで、今回のメンバーに入ると見劣りするところだが、素質は高く、近い将来にGI を勝つ可能性を感じさせる馬だ。同じくフジキセキを父に持つキンシャサノキセキが2009年・2010年と本レースを連覇したように、本馬もスピードの持続力を求められる芝1400mの競馬がフィットすれば、今後の選択肢は大きく広がるだろう。

昨年のスプリンターズSで2着を確保したハクサンムーン(牡5・西園正都)は、GI のタイトルに手が届きそうなところまできている馬。以前は、まずは先頭に立ってレースの主導権を取ることが好走の条件だったが、最近は、他の馬の動き次第で控える競馬ができるようになっている。一昨年のファルコンS(11着)以来約2年9か月ぶりとなる芝1400mの距離に参戦する今回、どういう走りを見せるのか。展開の鍵を握る存在となりそうだ。

クラレント(牡5・橋口弘次郎)は、これまでに重賞6勝をマークしている実績馬。今後の最大目標はGI のタイトル獲得だ。11か月ぶりに右回りコースへの出走となった前走のマイルチャンピオンシップは15着と大敗し、GI タイトル奪取はならなかったが、その後も栗東坂路で順調に乗り込まれており、引き続き体調に問題はない。阪神Cは、一昨年が5着、昨年が3着と、まずまずの結果を残しているレースであり、来年の安田記念制覇に向けて、いい形で一年を締めくくりたいところだろう。

前々走の1600万下・白秋Sを勝ち上がり、前走のオープン特別・オーロC(ともに東京・芝1400m)2着を経て、ここにエントリーしてきたカオスモス(牡4・森秀行)。近走の成績だけを見ると、今回のレースは敷居が高いようにも感じられるが、それは、3歳春から4歳にかけての成長期に約11か月ものブランクがあった影響によるもの。重賞では、2歳時の2012年に京王杯2歳S3着、3歳時の2013年にアーリントンC2着、4歳時の今春にダービー卿チャレンジT2着と、実績に不足はなく、潜在能力の高さは引けを取らない。今回のメンバーに入っても、十分通用するはずだ。

リアルインパクト(牡6・堀宣行)は、3歳時に出走した2011年の安田記念で古馬の一線級を相手に優勝したほどの素質馬。また、昨年の阪神Cの勝ち馬でもある。今年に入って本来の力を発揮できていないが、約5か月半の休み明けで出走した前走のオープン特別・キャピタルS(東京・芝1600m、6着)を使われて体調面で上積みが見込める今回、前年の優勝馬がどんな走りを見せるか注目したい。

2012年のヴィクトリアマイル優勝馬ホエールキャプチャ(牝6・田中清隆)は、これまでに4勝をマークしている東京巧者というイメージが強い馬だが、阪神・芝コースでも、2010年の阪神ジュベナイルフィリーズ2着、2011年の桜花賞2着、ローズS優勝と、重賞で連対実績を残している。京都・芝コースでは、4歳以降は毎年エリザベス女王杯のみに出走し、2012年10着→2013年6着→今年15着と好結果が出ておらず、前走の同レースでの大敗は度外視したい。

サドンストーム(牡5・西浦勝一)は、前々走のスワンSが13頭立ての13番人気で4着、前走の京阪杯が18頭立ての11番人気で2着と、重賞で2戦連続して低評価を覆す走りを見せた。特に、スローペースで前へ行った馬が残る展開の中を、中団追走から2着まで追い込んだ前走の内容は秀逸だ。今回も好走を見せるようであれば、いよいよ本格化を果たしたと考えていいだろう。

サンカルロ(牡8・大久保洋吉)は、阪神・芝1400mの重賞で3勝を挙げており、その中で、2011年・2012年と阪神C連覇を果たしている。近走のレース内容は、8歳という年齢からくる衰えが否めないものだが、それでも、前走のスプリンターズS(新潟・芝1200mで開催、10着)では、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒7(推定)をマークしており、勝ち馬スノードラゴンとのタイム差は0秒3と、着順ほど大きくは負けていない。得意としている今回の舞台なら、持ち味の末脚で阪神C3度目の優勝が見られるかもしれない。

全5勝を阪神・芝コースでマークしているオリービン(牡5・橋口弘次郎)も、阪神巧者として知られる一頭だ。決め手に少し欠けるタイプで、後方を追走した前走のオープン特別・タンザナイトS(阪神・芝1400m)は、最後の直線でよく追い込んだものの、勝ち馬のサトノルパンに0秒1差届かず4着に敗れた。スピードの持続力勝負になれば、今回のメンバーが相手でも差のない競馬が可能だろう。

ファンの夢を乗せ一年を締めくくるグランプリ! 「有馬記念(第59回 グランプリ)」

ファンの夢を乗せ一年を締めくくるグランプリ! 「有馬記念(第59回 グランプリ)」
出走馬情報
有馬記念は、JRAの一年を締めくくる総決算として暮れの中山開催の最終週に行われているGI レース。出走馬をファン投票で決定(第1回特別登録を行った馬の中から得票数上位10頭を選出)するグランプリレースだ。JRA60周年となる節目の年でもあり、「午年」でもある今年は、枠順決定方法を変更。抽選により選定された出走馬の関係者が希望する枠順(馬番号)を選択していくという、JRA初の試みとなる。また、枠順決定の模様がテレビ(BSフジ)で生中継されることから、注目度がさらにアップした。昨年の有馬記念では、引退レースとなったオルフェーヴルが8馬身差の圧勝劇を演じ、力の差を見せつけたのは記憶に新しい。レース後には、大観衆が見守る中、同馬の花道を飾る引退式が行われた。今年の夢のステージで最もまばゆい輝きを放つのはどの馬か? 国内トップクラスの強豪が中山競馬場に集結して、栄光のゴールを目指す。

エピファネイア(牡4・角居勝彦)は、豪華メンバーがそろった今年のジャパンカップを4馬身差で圧勝。昨年の菊花賞に次ぐ2度目のGI 制覇を達成した。このレースで初めて手綱を取ったC.スミヨン騎手が懸命に折り合いをつけて、道中は好位を追走。4コーナーを絶好の手応えで回って鞍上がゴーサインを出すと、一気にスパート。後続馬との差をあっという間に広げ、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。レース当日の芝コースは良馬場発表ながら、前日の雨で水分を含んだ馬場コンディションであったことを考えれば、走破タイムの2分23秒1は非常に優秀。レースキャリアがまだ12戦と浅いだけに、今後の活躍がますます楽しみになった。今回は中山・芝コースに替わるが、昨年の3歳クラシック第1弾・皐月賞では直線で切れ味鋭い末脚を披露し、勝ち馬のロゴタイプから1/2馬身差の2着と連対を確保しているだけに、問題なく対応できるだろう。グランプリでさらにGI の勲章を増やして、国内最強の座を不動のものとしたいところだ。

ゴールドシップ(牡5・須貝尚介)は、3歳時の2012年に出走した有馬記念で、勝負どころから馬群の外をまくって進出、最後の直線で力強い伸び脚を繰り出して差し切るという豪快な戦法で優勝した。同年には皐月賞、菊花賞も制しており、JRA賞最優秀3歳牡馬に選出されている。また、2013年・2014年と、上半期のドリームレース・宝塚記念を2年連続で優勝。GI レース通算5勝をマークし、重賞9勝という実績は、現役屈指の存在と言えるだろう。今回は、10月の国際G1・凱旋門賞(ロンシャン・芝2400m、14着)から帰国して最初の一戦となるが、十分に調整期間があったため、調教の動きはここにきてひと追いごとに良化している。野芝に洋芝をオーバーシードした状態のパワーを要する馬場への適性は高い馬。本馬に向いたベストの舞台に登場する今回は、身上とする豪快な末脚発揮が期待されるところだ。

ジェンティルドンナ(牝5・石坂正)は、3歳時に桜花賞、オークス、秋華賞を優勝。3歳牝馬三冠を達成したあと、ジャパンカップでオルフェーヴルをハナ差の2着に退けてV。年間GI・4勝をマークして、2012年のJRA賞年度代表馬に輝いている。そして、昨年はデニムアンドルビー(2着)の猛追をハナ差抑えて、史上初となるジャパンカップ連覇の偉業を達成。歴史的名牝の仲間入りを果たしている。さらに、5歳を迎えた今年は、国際G1・ドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)を見事に優勝。その名を世界にとどろかせたことは記憶に新しい。ドバイからの帰国初戦となった宝塚記念は9着に大敗したが、約4か月の休養を取って臨んだ前々走の天皇賞(秋)で2着を確保し、復調をアピールした。ジャパンカップ3連覇という大偉業達成に向けて1番人気の支持を集めた前走は、直線でひと息伸び脚を欠いて4着に敗れたが、2着馬ジャスタウェイとのタイム差は0秒2。悲観する内容ではなかったはずだ。今回は秋3戦目でまだまだ余力が残っているだけに、引退レースとなるここで有終の美を飾る快走が見られるかもしれない。

ジャスタウェイ(牡5・須貝尚介)も、今回の有馬記念がラストランとなる。昨年の天皇賞(秋)で2着馬ジェンティルドンナに4馬身差の圧勝劇を演じて一気にブレイク。5歳の今年は、壮行レースに選んだ中山記念を3馬身1/2差で完勝し、国際G1・ドバイデューティフリー(メイダン・芝1800m)も2着馬に6馬身1/4差をつけて圧勝。ロンジンワールドベストレースホースランキングで1位(130ポンド、2014年1月1日~11月9日)の評価を受け、その座をキープしている。そして、帰国初戦となった安田記念では不良馬場を克服。直線で力強い末脚を発揮して差し切り勝ちを収め、貫禄を示した。この秋は、大目標であった国際G1・凱旋門賞こそ8着に敗退したが、前走のジャパンカップでは勝ち馬のエピファネイアから4馬身離されながらも、きっちりと2着を確保。天皇賞(秋)優勝馬スピルバーグ(3着)や3連覇に挑んだジェンティルドンナ(4着)に先着を果たし、あらためて能力の高さをアピールした。過去の勝ち鞍はいずれも芝2000m以下のレースだけに、今回の中山・芝2500mはベストの舞台とは言えないかもしれないが、ジャパンカップ2着の内容からも克服は可能だろう。

ワンアンドオンリー(牡3・橋口弘次郎)は、今年のダービー馬。弥生賞(2着)と皐月賞(4着)では後方追走から末脚勝負の競馬を見せていたが、日本ダービーでは前半から行き脚がついて難なく好位を確保。直線でも確かな末脚を繰り出し、皐月賞馬イスラボニータを3/4馬身差の2着に退けて、競馬の祭典の主役に輝いた。3歳クラシック二冠目を目指した前々走の菊花賞では、外枠(18頭立て7枠15番)からのスタートで終始外を回る厳しい形になり、9着と大敗。前走のジャパンカップ(7着)では、勝ち馬のエピファネイアから1秒1も離されたが、2着馬ジャスタウェイとは0秒4差の競馬を演じている。古馬の一戦級との対戦が初めてだったことを考慮すれば、今後につながる内容と判断してもいいだろう。父ハーツクライは、2005年の有馬記念で単勝オッズ17.1倍の4番人気ながら、単勝オッズ1.3倍の断然人気に支持されたディープインパクト(2着)を破って優勝。ベストパフォーマンスと言える素晴らしい内容を残しているだけに、ジャスタウェイとともに父の代表的産駒と評されるこの馬にも大きな期待が懸かる。

フェノーメノ(牡5・戸田博文)は、2013年・2014年と天皇賞(春)連覇を達成。スターホースが集結した今回の有馬記念でも実績では上位にランクされる存在だ。約6か月の休養明けで天皇賞通算3勝目を目指した前々走の天皇賞(秋)は14着に敗れたが、勝ち馬のスピルバーグから0秒7差で着順ほど大きくは負けていない。前走のジャパンカップでは、勝ち馬のエピファネイアから1秒1差の8着とはいえ、2着馬ジャスタウェイとは0秒4差と、悲観する内容ではなかった。今回は、過去にセントライト記念(2012年)と日経賞(2013年)を優勝した実績がある中山・芝コースへ替わるうえに、前走から100mの距離延長もわずかとはいえプラス材料になる。うまく流れに乗って好位から末脚を活かす本来のレースができれば、大きな変わり身を見せても不思議ではない。1990年の優勝馬オグリキャップや1993年の優勝馬トウカイテイオーなどトップホースの復活劇が幾度も演じられてきた暮れのグランプリで、本来の実力を存分に発揮しての劇的な勝利を狙う。

ラストインパクト(牡4・松田博資)は、今秋の京都大賞典で2度目の重賞制覇を飾ったあと、中7週のローテーションで臨んだ前走の金鯱賞も1分58秒8のコースレコードで快勝。目下重賞2連勝の勢いに乗って、グランプリ・有馬記念に挑戦する。3歳時にも青葉賞3着、菊花賞4着と素質の高さを見せていたが、本格化したのは4歳の今年を迎えてから。2月の小倉大賞典では、向正面から一気にまくる派手な勝ち方で初の重賞タイトルを獲得。前々走の京都大賞典が好位の3番手追走、前走の金鯱賞は中団追走と、レースぶりにも幅が出てきており、持てる才能が完全に開花した印象だ。ここまでの勝ち鞍は芝1800mから芝2400mのレースで挙げているように、距離の守備範囲が比較的広い馬で、今年の日経賞(3着)以来2度目の経験となる芝2500mの距離も問題なし。今回、相手は格段に強化されるが、ピークと思える現在の状態の良さを活かしたうえで、大仕事をやってのけるかもしれない。

トーセンラー(牡6・藤原英昭)は、昨年のマイルチャンピオンシップでGI 初制覇。マイラーとして高い能力を示したが、3歳時に菊花賞3着、5歳時に天皇賞(春)2着という長距離での実績もあり、距離の融通性が高い一頭だ。連覇を狙った前走のマイルチャンピオンシップは4着に敗れたが、上がり3ハロンはメンバー中最速タイの34秒1(推定)を記録。末脚に陰りは見られない。中山・芝コースには約2年9か月ぶりのエントリーとなるが、3歳秋のセントライト記念では目を引く末脚を披露して2着に好走しているだけに、対応は十分可能だろう。先行争いが激化する展開になれば、大きく浮上してきそうだ。

ウインバリアシオン(牡6・松永昌博)は、名馬オルフェーヴルと同世代の強豪。まだGI タイトルは獲得していないが、3歳クラシックで日本ダービー2着、菊花賞2着の実績を残しているほか、昨年の有馬記念で勝ち馬のオルフェーヴルから8馬身離されたものの2着を確保。今年の天皇賞(春)では勝ち馬のフェノーメノにクビ差まで詰め寄っての2着と、GI レースでの連対実績を積み重ねている。実力は現役馬の中でも上位にランクされる存在だ。宝塚記念(7着)以来約5か月の休み明けで臨んだ前走の金鯱賞は15着と大敗を喫したが、再発した屈腱炎からの復帰初戦だっただけに、この一戦だけで見限ることはできない。今年の日経賞優勝、前述の有馬記念2着という実績が光る中山・芝2500mで、復活を果たしてのGI 初勝利を目指す。

このほかにも、牝馬の強豪が多数スタンバイ。今春のヴィクトリアマイルで連覇を達成したヴィルシーナ(牝5・友道康夫)、前走のエリザベス女王杯で1番人気のヌーヴォレコルトをクビ差の2着に退けてGI 初制覇を飾ったラキシス(牝4・角居勝彦)、昨年のジャパンカップで勝ち馬のジェンティルドンナからハナ差の2着に好走したデニムアンドルビー(牝4・角居勝彦)、3歳時の昨年に、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯を制覇し、JRA賞最優秀3歳牝馬に選出されたメイショウマンボ(牝4・飯田祐史)など、実績馬が虎視眈々と上位進出を狙っている。

第59回 有馬記念(GI)出走予定馬映像
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11月23日(祝・日) マイルチャンピオンシップ(GI)【京都競馬場】

11月23日(祝・日)
マイルチャンピオンシップ(GI)【京都競馬場】

第31回 マイルチャンピオンシップ(GI)出走予定馬映像

出走馬情報
秋の最強マイラー決定戦・マイルチャンピオンシップは、今年で31回目を迎える。直線で馬群がばらけやすい京都・外回りの芝1600mで行われるこのレースは、華麗な逃げ切りあり、先行抜け出しあり、豪快な追い込みありと、実に多彩な決まり手が見られる。競馬の醍醐味が集約されている一戦と言えるだろう。これだけの歴史を積み重ねてきたGI だけに、勝ち馬には名馬も数多く名を連ねているが、マイルチャンピオンシップ連覇を果たした馬は過去に5頭のみ。1984・1985年のニホンピロウイナー、1991・1992年のダイタクヘリオス、1997・1998年のタイキシャトル、2003・2004年のデュランダル、2006・2007年のダイワメジャーがその該当馬で、いずれも一時代を築いた歴史に残るスピードホースばかりだ。

今年、マイルチャンピオンシップ連覇の偉業に挑むのがトーセンラー(牡6・藤原英昭)。今秋の始動戦に選んだ京都大賞典は3着だったが、昨秋にマイルチャンピオンシップで待望のGI初制覇を飾った時と同じ臨戦過程で着順も同じ。芝2400mでは末脚の切れ味が少し鈍る印象だったレース内容も昨年に近いとあれば、連覇への期待はおのずと高まる。京都・芝の外回りコースでは〔4・2・3・1〕と抜群の安定感を誇り、勝ち鞍のすべてをこの舞台で挙げている。歴史に残る“京都・外回り巧者”と言えるだろう。昨年と同様に、今年も上位争いを期待して良さそうだ。

目下の充実ぶりが目立つクラレント(牡5・橋口弘次郎)も注目の存在だろう。前々走の関屋記念に続き、前走の京成杯オータムH(新潟・芝1600mで開催)を制して今年の『サマーマイルシリーズ』のチャンピオンに輝いた。前走の勝利で重賞は6勝目となり、そのうち5勝がマイル重賞で、現役を代表するマイル巧者と言える。この馬に足りないのはGI タイトルだけ。京都・外回りの芝1600mは、2011年にデビュー2戦目のデイリー杯2歳Sで重賞初制覇を飾った舞台だが、その後は2013年の読売マイラーズCが8着、マイルチャンピオンシップが11着と、古馬になってから好結果を残せていないのは気になる材料だ。しかし、目下重賞2連勝中と今回の出走メンバーの中でも勢いはナンバー1と言えるだけに、ここはGI 奪取の最大のチャンスだ。

前哨戦のスワンSを制したミッキーアイル(牡3・音無秀孝)は、今年のNHKマイルCを制した3歳のチャンピオンマイラー。古馬相手のスワンSでは、2012年マイルチャンピオンシップの覇者サダムパテック(10着)と2頭だけ別定重量で57キロの斤量を背負って出走した。本馬は7枠11番からのスタートで二の脚を利かせて外から先行し、向正面から先頭に立つと、直線でも軽快な逃げ脚で差を広げ、ゴール前で外から急追してきたサンライズメジャー(2着)を1/2馬身退けて優勝。厳しい条件をあっさりと克服したことで、その評価はさらに高まっている。不良馬場で行われた前々走の安田記念では16着と大敗しているように、自慢のスピードをそがれるタフな馬場は大の苦手。良馬場なら、2つ目のGI タイトル獲得のチャンスはさらに広がるだろう。

今春に行われた読売マイラーズCで1分31秒4のコースレコードをマークして重賞2勝目を挙げたワールドエース(牡5・池江泰寿)。1番人気に支持された前走の毎日王冠は13着と大敗を喫したが、約4か月の休み明けに加えて、東京・芝コースも合わなかった印象。これまでに左回りコースは4戦して〔0・0・0・4〕と好結果が出ていないのに対して、右回りコースでは〔4・2・0・0〕と連対率100%の好成績を誇る。2012年のきさらぎ賞、前述の読売マイラーズCと、重賞で2戦2勝と負けなしの京都・芝の外回りコースなら、巻き返しは可能なはずだ。

グランプリボス(牡6・矢作芳人)は、2歳暮れの朝日杯フューチュリティS、3歳春のNHKマイルCとマイルGI・2勝を挙げている強豪で、古馬になってからも2012年の安田記念2着、マイルチャンピオンシップ2着、今年の安田記念2着と、GI の舞台で勝ち負けを続けている。今回のメンバーの中でも実績は最上位にランクされる存在だ。京都・芝の外回りコースでは、一昨年のスワンS、昨年の読売マイラーズCと重賞を2勝しており、相性もいい。過去3年のマイルチャンピオンシップは、2011年13着、2012年2着、2013年9着という戦績で、4度目の挑戦となる今回、マイルGI のタイトルを積み重ねることができるか注目したい。

フィエロ(牡5・藤原英昭)は、好メンバーがそろった前走のスワンSで重賞未勝利ながら2番人気の高い支持を受けて3着に敗れたが、勝ち馬のミッキーアイルとは僅か0秒1差。上がり3ハロンは33秒2(推定)と出走馬中最速タイムをマークしたものの、逃げたミッキーアイル、中団から直線で外に持ち出して伸びたサンライズメジャー(2着)を捕えることができなかった。スローな流れで瞬発力勝負の展開になったうえに、1分20秒3という速い時計で決着した芝1400mのレースがこの馬には少し忙しかったようだ。4勝をマークしている芝1600mへの距離延長はプラス材料と言える。GI の舞台でも互角に戦える能力は持っているはず。

ダノンシャーク(牡6・大久保龍志)は、前走の富士Sで7着に敗退したが、勝ち馬とのタイム差は0秒3と僅かで、早めに先頭に立って後続馬の目標になった展開も響いた印象。この一戦だけで評価を下げるのは早計だろう。2013年の安田記念では、12番人気の低評価を覆して、優勝馬ロードカナロア、2着馬ショウナンマイティから0秒1差の3着に健闘。同年秋は、富士Sで重賞2勝目を飾った勢いに乗ってマイルチャンピオンシップに挑み1番人気の支持を受けた。中団待機から直線で馬群を割って伸びてきたところをさらに外からトーセンラー(1着)に一気に交わされたものの、3着を確保。このほかにもGI で幾度も上位争いを演じてきた実力は、今回のメンバーの中でも上位のものがある。

マイル路線に参入してくる昨年の皐月賞馬ロゴタイプ(牡4・田中剛)も話題を集めそうな一頭だ。芝2000mの皐月賞でエピファネイア(のちに菊花賞制覇)を1/2馬身差の2着に退けて1分58秒0のコースレコードでクラシック制覇を成し遂げた実績が光るが、芝1600mは2012年のGI・朝日杯フューチュリティSも含めて2戦2勝の好成績。今回の芝1600mこそがベストの距離という可能性は十分にある。初の関西遠征でどんな競馬を見せてくれるか注目したい。

グランデッツァ(牡5・平田修)は、2番人気の高い支持を受けた前走の毎日王冠で5着に敗れたが、勝ち馬のエアソミュールとのタイム差は0秒3。約2か月半の休み明けながら、馬体重(498キロ)はマイナス12キロと大幅な減少が響いた印象だ。2歳秋に札幌2歳Sを制し、3歳春のスプリングSも快勝して、クラシック三冠の第一弾・皐月賞では1番人気の支持を受けた馬で、潜在能力の高さは今回のメンバーの中でも引けを取らない。今春のオープン特別・都大路S(京都・芝1800m、1着)では、1分43秒9というJRAレコードを樹立した実績も光る。スピード能力は非凡なだけに、良馬場で速い時計での決着になれば、勝ち負けに加わってくるはずだ。

今年の中京記念で58キロのトップハンデを背負いながらも馬場の大外から直線一気の競馬で差し切り、重賞5勝目を挙げたサダムパテック(牡6・西園正都)は、一昨年のマイルチャンピオンシップの覇者でもあるGI 馬。前走のスワンSでは10着に敗退したが、スローな流れで瞬発力勝負の展開が合わず、芝1400mのスピード勝負も少し忙しい印象を受けた。展開の紛れが少なく、実力馬が力を発揮しやすい京都・外回りの芝1600mが舞台なら、巻き返しのチャンスは十分あるはず。

サンライズメジャー(牡5・浜田多実雄)は、条件クラスで幾度も勝ち負けを演じながら力を付けてきた馬で、3度目の重賞挑戦となった前走のスワンSで2着に好走。今回はGI 初挑戦となるが、充実期に入った現在なら、一線級のメンバーが相手でも差のない競馬ができそうだ。
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