新春の古都で牝馬が艶やかにしのぎを削る 「第50回 京都牝馬ステークス」

京都牝馬Sは、開催時期が年明けに変更された2013年からAコースで行われており、同コースを使用してのレースは今年で3回目となる。同じ1回京都で開催される外回りの芝1600mの重賞でも、開幕週に行われる京都金杯と違い、開催が進んだ状況で行われる京都牝馬Sは、内ラチ沿いを通る馬だけでなく、外を回る馬でも十分に上位を狙える。むしろ、先行馬よりも差し馬のほうにチャンスが大きい印象があるレースだ。最後の直線で前にいる馬を交わすことができる瞬発力を備えているかどうかが一番のポイントと言えるだろう。
前々走のエリザベス女王杯で勝ち馬のラキシスから0秒3差の5着と善戦し、56キロのトップハンデを負担した前走の愛知杯で勝ち馬のディアデラマドレから0秒2差の2着を確保したキャトルフィーユ(牝6・角居勝彦)は、今回のメンバーの中でも充実度で群を抜く存在と言える。だが、この馬が武器としているのは、瞬発力よりも息の長い末脚。脚質的にはあまり向いていると言えない今回の舞台でどんな走りを見せられるかがポイントになりそうだ。15日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、サンビスタ(古馬オープン)、シャドウダンサー(古馬1600万下)という調教駆けする馬を相手に、熱の入った3頭併せを敢行。状態は高いレベルで安定している。
昨年の京都牝馬S優勝馬のウリウリ(牝5・藤原英昭)は、キャトルフィーユと同じディープインパクト産駒だが、この馬のセールスポイントは軽い芝での瞬発力。前述したレース傾向に沿うタイプと言えるのは、こちらだろう。前走の阪神C(4着)後の調整も順調で、15日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは4ハロン51秒8、ラスト1ハロン12秒4という出色のタイムをマークした。本レース連覇を成し遂げる可能性も十分にありそうだ。
アロマティコ(牝6・佐々木晶三)は、3走前のクイーンSが勝ち馬のキャトルフィーユとタイム差なしの2着、前々走の産経賞オールカマー(新潟・芝2200mで開催)が勝ち馬のマイネルラクリマから0秒1差の5着、18頭立ての8枠18番からのスタートだった前走のエリザベス女王杯でも勝ち馬のラキシスから0秒7差の8着。近3走とも、重賞で大崩れすることのない走りを見せてきた。今回のメンバーに入っても、能力は上位の存在と言える。先週の日経新春杯に出走するプランもあって調教を積んできただけに、約2か月半ぶりの実戦でも仕上がりに問題はなさそうだ。
フォーエバーモア(牝4・鹿戸雄一)は、3歳時の昨年に桜花賞(8着)→オークス(11着)とクラシック路線を歩んだ馬。そのオークス以来の実戦となる今回、初めて他の世代と対戦することになる。比較が難しい一戦だが、この馬自身は、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズで1着馬レッドリヴェール、2着馬ハープスターとタイム差なしの3着に好走し、昨年のクイーンCを優勝と、同世代の中で上位の力を持っている。今回、8か月の長期休養明けでの出走となるだけに、直前の最終追い切りに最も注目が必要な一頭と言えそうだ。
ダンスアミーガ(牝4・中竹和也)は、3走前の1000万下・五頭連峰特別→前々走の1600万下・長岡S(ともに新潟・芝1600m)と条件クラスを連勝したうえで、前走のオープン特別・ポートアイランドS(阪神・芝1600m)に出走。中団追走から伸びきれないレース内容で、結果は5着と敗れたが、オープンクラスへの再昇級初戦に加えて牡馬の手ごわいところが相手と、条件が少し厳しかったのかもしれない。今回は、重賞への挑戦となるが牝馬限定レースに替わる。約3か月半の休み明けとなるここで好結果を残せるようなら、今後が楽しみになる。
パワースポット(牝7・菊沢隆徳)は、18頭立ての14番人気という低評価だった前走の愛知杯で、勝ち馬のディアデラマドレから0秒3差の5着。今年で7歳を迎えたベテランホースだが、現在が充実期と言えるほどの末脚の切れ味を毎回ゴール前で発揮している。上がり3ハロン33秒台(推定)をマークできる自慢の瞬発力は、今回の舞台となる京都・外回りの芝1600mでこそ活きるはずだ。
ベルルミエール(牝4・高橋亮)は、前々走の1000万下・久多特別→前走の1600万下・長岡京S(ともに京都・芝1400m)と条件クラスを連勝してここにエントリー。芝1600mの距離は微妙に長いかもしれないが、スピードを活かせる京都・芝コースでは3戦3勝の負け知らずと相性は抜群。今回、スローペースになるようなら、この馬が得意としている先行策で押し切る可能性もありそうだ。
ゴールデンナンバー(牝6・鈴木康弘)は、上がり3ハロン32秒台(推定)の数字をマークできるほどの瞬発力を持っている馬。しかし、500キロを超える大型馬で、3か月以上の休み明けでの成績はこれまで〔0・0・0・3〕と結果を残していない。昨年9月の京成杯オータムH(新潟・芝1600mで開催)にエントリーしたものの、スタート地点で前胸部裂創を発症したため競走除外となり、手術を受けたうえで迎える今回のレース。昨年6月のオープン特別・パラダイスS(東京・芝1400m、5着)以来約7か月ぶりの実戦となるが、実力を発揮できるかどうかがポイントになるだろう。
レイカーラ(牝6・堀宣行)は、1番人気に支持された前走のオープン特別・ターコイズS(中山・芝1600m)で、14頭立ての11番手と後方を追走する展開から、最後の直線で伸びきれず9着と、人気を大きく下回る着順に敗れた。今回、前走からの巻き返しを果たすとともに重賞初制覇を成し遂げることができるか、注目したい。
ゼンノロブロイ産駒のレーヴデトワール(牝4・松田博資)は、2010年の阪神ジュベナイルフィリーズ優勝馬レーヴディソール(父アグネスタキオン)を半姉に持つ良血馬。3走前の秋華賞トライアル・紫苑S(新潟・芝2000m)をクビ差で制し、オープン特別初勝利を挙げたものの、前々走となる本番の秋華賞が13着、前走の愛知杯も13着と、近2走の成績がひと息。この中間は調教での動きが良く、馬体もふっくらとして好気配がうかがえるだけに、今回は正念場の一戦と言えるだろう。