歴史的名牝の素質が開花する牝馬クラシック第一戦 「第75回 桜花賞」

馬名プロファイル

第75回 桜花賞(GI)出走予定馬映像

予想

3連単BOX

⑥⑪⑮⑧⑨

3歳牝馬クラシック初戦となる桜花賞。桜の花が咲き誇るもとで乙女たちが覇を競うこの一戦は、数あるJRAのGI の中でも見る者に最も華やかな印象を与えている。阪神・外回りの芝1600mを舞台に毎年見応えあるレースが繰り広げられているが、今年の3歳牝馬は例年以上にハイレベル。デビューから無傷の3連勝で重賞勝ち馬へと駆け上がってきた3頭をはじめ、その他の面々も、いずれ劣らぬ素質馬が今回の大舞台に顔をそろえた。新たなスターホースが誕生しそうな今年の出走馬をチェックしていきたい。

昨年の優勝馬ハープスターに続き、今年も世界の舞台を意識させる馬が登場する。3戦3勝の無敗でGI の舞台に躍り出るマンハッタンカフェ産駒のルージュバック(牝3・大竹正博)がその馬で、スケールの大きさでは前年の覇者をしのぐ可能性すら感じさせる。前々走の500万下・百日草特別(東京・芝2000m)では、のちに京成杯を優勝するベルーフ(2着)に2馬身1/2差をつけたうえで、2歳コースレコードの2分00秒8をマークして優勝。3か月の休み明けで重賞に初挑戦した前走のきさらぎ賞でも、牡馬の強敵を相手に難なく完封して勝利を収めた。牝馬限定レースには目もくれず、適性の高い舞台に出走することを優先する姿勢に、陣営の自信の大きさを感じる。本レースをも通過点にするようなら、近い将来、世界の大舞台で走る姿が見られるかもしれない。

前述のルージュバックという大物がいるにもかかわらず、同馬が話題を独占とはならないところに今年のメンバーのレベルがいかに高いかが表れている。前走のフィリーズレビューを制したクイーンズリング(牝3・吉村圭司)も、3戦3勝の無敗の重賞勝ち馬で、父がマンハッタンカフェという点もルージュバックと同じ。前走は、マイナス20キロ(444キロ)という大幅な馬体減をものともせず、4コーナー13番手の位置から最後の直線で鋭い末脚を発揮して勝利。素質はかなり高そうだ。前走の阪神・芝の内回りコースから、今回、直線の長い外回りコースへ替わる点は歓迎材料。前の馬をまとめて交わして先頭ゴールを果たす可能性は十分にある。

キャットコイン(牝3・二ノ宮敬宇)も、重賞初挑戦となった前走のクイーンCを優勝し、デビューから無傷の3連勝を達成。勇躍、桜花賞に駒を進めてきた。ステイゴールド産駒らしい我の強さを持っていながらも、実戦ではしっかりと折り合えるのがこの馬のセールスポイントだ。前走後は放牧でレースの疲れを癒やし、3月20日に美浦トレーニング・センターへ帰厩。28日には早めに栗東へ移動して万全の態勢を整えている。本馬と同じ二ノ宮敬宇厩舎所属の2歳女王ショウナンアデラは、骨折が判明して桜花賞への出走を断念。その分まで頑張りたいところだ。

桜花賞のトライアルの中でも最も本番につながりやすいと言われるチューリップ賞を制したのは、関東馬のココロノアイ(牝3・尾関知人)。これで重賞の勝ち鞍は昨年のアルテミスSに続き2つ目。暮れには阪神ジュベナイルフィリーズでも3着に好走しており、実績という点では今回のメンバーに入っても上位と言える。本馬もキャットコインと同じステイゴールド産駒だが、こちらは気性の激しさを感じるタイプだけに、レース当日のテンションが鍵になる。落ち着いて走ることができれば、今回も好勝負を演じられるはずだ。

2011年のマルセリーナ、2012年のジェンティルドンナ、2013年のアユサン、2014年のハープスターと、ここ4年連続でディープインパクト産駒が桜花賞を制覇。今年も同産駒の素質馬たちが出走を予定している。そのうちの一頭、アンドリエッテ(牝3・牧田和弥)は、前走のチューリップ賞で、ディープインパクト産駒がそれほど得意ではないとされる力の要る馬場(重)を克服して2着に好走。本番への優先出走権を獲得した。直線で瞬発力を発揮して追い込むタイプで、今回、良馬場での出走がかなえば、逆転も十分に可能だろう。

前々走のオープン特別・紅梅S(京都・芝1400m)を優勝したディープインパクト産駒のコンテッサトゥーレ(牝3・安田隆行)は、前走のチューリップ賞で6着と敗退。雨が降る中で行われたレースで、パワーの要る馬場(重)が向かず能力を発揮しきれなかった可能性が高い。今回、良馬場での出走がかなえば、前走のようなことはないはずだ。2008年の皐月賞を優勝した半兄キャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)に続いて、クラシックレースを制覇できるか、注目の一頭だ。

ディープインパクト産駒のクルミナル(牝3・須貝尚介)は、1月25日のメイクデビュー京都(芝1800m、1着)から中1週のローテーションで臨んだ前々走のオープン特別・エルフィンS(京都・芝1600m)を優勝。デビュー2連勝をマークして、桜花賞馬候補に名乗りを挙げた。前走のチューリップ賞では、1番人気に支持されたものの11着と大敗を喫したが、本馬も、パワーを要する馬場コンディションが合わなかった模様。今回、良馬場での瞬発力勝負になって、父譲りの鋭い末脚を発揮できれば、巻き返しは十分に可能だろう。

桜花賞トライアルのアネモネS(中山・芝1600m)を優勝したテンダリーヴォイス(牝3・萩原清)も、ディープインパクト産駒。過去の桜花賞の傾向を見ると、アネモネS組は、本番での成績という点ではチューリップ賞組やフィリーズレビュー組と比べて成績は今ひとつと言える。しかし、本馬は、祖母にJRA重賞5勝のブロードアピールを持つ、成長力が魅力の血統。本番での大駆けが十分に期待できるだけの良血馬だ。

キングカメハメハ産駒のレッツゴードンキ(牝3・梅田智之)は、勝ち鞍こそメイクデビュー札幌(芝1800m)の1勝のみだが、その後の4戦は重賞に挑戦して、すべて3着以内を確保している。近3走はいずれもココロノアイと一進一退の競馬を続けているだけに、実力は引けを取らない一頭と見ていいだろう。折り合い面に少し課題を残しており、今回もスムーズな競馬ができるかどうかが鍵となる。ラストの瞬発力勝負にならないようなペースでレースが展開すれば、今回も大崩れはしないはずだ。